制限解除

▼『制限解除』を聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?!

▼『制限解除』、電車は車の速度制限の解除を思い浮かべますでしょうか…はたまたスマートフォンなどの通信速度制限の解除を思い浮かべますでしょうか。

▼何れにしても、「制限」、つまりある限界以上(以外)は許されないということを思い浮かべる方が多いと思います。

▼車でもバイクでも携帯電話でも。「制限」がかかると、どうも使い勝手が悪いというか、どこかスムーズに行かないようなイメージがあります。もちろん「制限」される理由は安全の為だったり、トラフィック(情報量)資源の有効活用の為だったりと、理由は様々ですが、頭で理解はできます。

▼しかしながら・・・やっぱり、制限を受けるというのはあまり、いい気分ではないイメージです。

▼お芝居でも同じ事が言えると思います。見て頂くお客様から「なんかスムーズじゃないな」と感想を持たれてしまうお芝居であれば、どこか「制限」がかかっているお芝居かもしれません。

▼役者さん側から見ても、自分自身も、共演者も「制限」がかかっていたら、どこか、ノリきれないと思います。

▼お芝居の世界の「制限」は…俳優さん自身が設けてしまっている場合と会場や様々な制作上の制限からやむを得ず行う場合とがあります。もちろん、お客様をはじめ、俳優さん達、スタッフの安全を守る為の制限は必須のものです。

▼しかしながら…お芝居をしていく上で「俳優さん自身」が「制限」を設ける理由には
 ・恥ずかしい心
 ・照れ
 ・役者個人の感情
と言った作品や役とはかけ離れたところの理由によるものが多いと思います。

2016-05-10a

▼しかし、この制限というのは自分の中で設けてしまっているだけで、これを解除するだけでお芝居のお稽古の身の付き方は大きく変わってきます。

▼お芝居の制限を解除するというのは、練習でもお稽古でも、本番はもちろん、『おもいきり』やることが一番の近道ではあります。

▼ぼくは”おもいきり”という状態は常に周りが目に入らず、集中している状態に近いと考えています。おもいきり走る時、ゴールに向かってまっしぐら!です。ですので、演技の勉強をするときに、まずはおもいきりやることを心がけると良いと思います。人間は面白いもので、何でも「抑える」事はすぐにできるのですが、「解放する」事はなかなかできないので、練習の時にたくさん、おもいきりやることで本番の際は(たとえ、緊張があったとしても)リミッターがかかることが少なくなると思います。

▼しかしながら、ここで役者として注意しなければならないことがあります。それはあまりに集中に夢中になりおもいきりやったからといって、役の範疇を外れてしまったり、相手役に怪我をさせることがないよう、また、美術、道具などを破損させることのないよう、ある種の冷静さを持っていなければなりません。

▼だから役者さんという職業はかなり難しいものとも言えます。傍から見れば本気。しかし、台本や段取りに沿わねばならない冷静さ。この二つをバランスよく表現することが求められると思います。

▼特にお芝居を始められてすぐの皆さんは怪我に注意して、”おもいきり”練習を行い、リミッターをはずすことで10倍も20倍も身につくことが変わってくるはずです。


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