大きなことであれはあるほど大きなきっかけが存在するような気がしていましたが、そうでもないらしい。と人の話を聞いていて思いました。
無意識に納得できる理由を探していたのかもしれません。ですがそもそも別の人間である以上自分の感覚で考えたところで当てはまるわけないのですけれどね。
無自覚に考えているところが恐ろしいです。
物事の捉え方にここまでの差があるものかあと人と話しているたびに気付かされます。
きっかけの繊細さを聞いて、その心境を納得するために想像しているとますます身動きが取れない感覚になってくるといいますか。
こういう考え方もあるのか、と概念を持ってしまえばもう知らないふりはできないので、ストックが増えるたびに随分身動きがとりにくくなったなあとふと思ったりもしました。
繊細さと強靭さを併せ持つのは大変なことだと思います。わたしもその端くれにいるのですが、そういう感覚の綱を上手い具合にバランスよく引いていられなくなった時にその難しさを考えずにはいられなくなります。
片方でいいところをあえて併せ持つという選択をすることによって、どんなに上手く操れたとしても少なからず擦れすり減るという事実と向き合う必要があるのでしょうか。
理由は違えど欲張りな一面があることは確かで。そうしていなければ一度に生きられるのは本来ひとりの人生だけですものね。それなのに、一体何人の人生を生きるつもりなのでしょうか。
考えているうちに自分のことを考えているのか、誰かのことを考えているのかすらわからなくなったり。
演じるということに携わってかれこれ十年程経ちますが、考えることは絶えず、増え、難しくなっていくばかりなので面白くはありますが、それ以上のその他の想いに悩まされる日々に、ようやくなんだかとんでもないことに踏み入れちゃったなあという感じ。いえ、面白くあるのですけれど。
時間の経過は皆に平等でも感覚の違いの差は比べられることがないのでなんとも言えませんが、なんだかとてもとてもとても長い十年だった気がしています。
同じ時間の経過の中にいることを許されている限りまだ知るべきことも感じるべきことも考えるべきこともあり、それを形にすることもあるかもしれません。だからとりあえず今日もまた今日を重ねます。
すっかり忘れてしまっていましたが、ゴールデンウィークらしいですね。
皆さま素敵な週末をお過ごしください。
