選ばれてなるもの…
昔…
僕の師匠が僕に言いました。
『演出家は選ばれてなるもんだ』
と。
これは、才能があるから、というわけでなく…俳優さんに、スタッフに、お客様に選んでもらわないと出来る職業でない、という意味です。
選んでもらうにはもちろん、お芝居に対する才能もあるかもしれません。
今で言えば、制作的な能力もあるかもしれません。
人間性もあるかもしれません…
演出家は…どんな理由でも選ばれないと仕事が進まないのです。
作・演出になったから偉くなったわけでもなんでもなく、役者さんが言うことを聞いてくれるロボットだと思ったら大間違いです。
あくまでも一緒に創っていく仲間なわけです。
そう考えると…演出家は役者を尊敬し、信頼しなければ、選ばれないと思うのです。この部分が欠けたら仕事になりません。
僕の先生はその事を端的に言っていたのだと感じています。
演出家が役者さんを信頼して役をお願いするのだと考えています。
極論ですが、信頼できなければ、自分が携わる作品に出すのもどうかと思います。
信頼関係
アルバイトでもなんでもそうだと思いますが、肩書きで仕事をするわけではないと考えます。これも僕の先生の受け売りですが、「威厳ってのは、周りがつけてるもの。肩書きは上からもらうけど、実際は下の人間の信頼がなきゃあ、立場を失う」と言っていました。
いくら仕事で実績を出しても部下の信頼を失ってはいけないということだと理解しています。
話は少しそれましたが、役者と演出家にたとえそれが年齢的上下関係があったにしろ、それ以上に信頼関係がないとできません。演出家がいくら威張ってみたところで、現実に舞台に立つのは役者さんなわけですから。
方法論としての、言葉が悪いとか、叱るとか、悪態をつくというのはまた別のお話だと思います。
俳優を信頼できないで何が演出家か。
作品を愛す事と同様に俳優さんも愛す事が肝要だと考えています。
メディアの稽古場では…
ぼくは今回「演出」としては、この作品に関わっていません。
演出はいとう、梨沢、演出協力として石井。
彼女たちはもちろん、ぼくを含めた俳優を信頼してくれているでしょう。そして、その信頼をより強固にそしてさらに進化させていくにつれ、自分の役も作品自体も練り上がってきていると感じています。
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