お客様はぼくら自身に何の興味もない。

▼改めて書きますが、ぼくらはたくさんのお客様に支えられて公演を行う事が出来ます。いつも本当にありがとうございます。

▼その上で今日の記事は、『お客様はぼくら自身に何の興味もない。』と題して書きたいと思います。

▼ぼくらのような体力の劇団はどうしてもお客様は、役者やスタッフの知り合いの方のご来場が多くなります。しかしお客様から「新和座の舞台」を見た時に、知っている出演者以外は「はじめまして」という状況です。したがって、お客様が知っている役者以外は興味がないのは当たり前です。

▼普段の役者の生活や性格を知っているお客様から見れば、「台詞を覚えて大変だな」とか「普段とは違う一面が見えた」という思いがあるのではないでしょうか。しかし、その他の役者、普段をしらない役者は”比較”するものがありませんので、作品の中の『役』をご覧になり、「うまい」か「へた」か・・・はたまた「すき」か「きらい」かをご判断なさいます。

▼これが全く知らない、出演者を誰もしらない、劇団の作品をご覧いただいたお客様であればなおのこと、普段の役者の生活や暮らしぶり、性格などをご存知のあろうはずがありません。ですので、「役」だけをご覧になり、ご感想をお持ちになります。当たり前の事です。

▼普段、こんなに頑張った、だとか、いつもとは違う役どころだったから戸惑った、だとか・・・そんな役者側、劇団側の都合などお客様には関係がないのです。

2016-09-05a

▼改めて、自戒を込めて書きます。「ぼくらは役に向かい合い、舞台上でその役を生きる」事をやっています。そこに、普段の生活、自分の性格、やりたくない事など関係ないのです。お客様は作品を、役をご覧になって「すき」か「きらい」かをご判断なさいます。

▼ぼくらは「その役の真情を吐露する」為にお芝居に望んでいます。けっして、「役者の努力」を伝える為に舞台に望むわけではありません。もちろん、努力、練習、稽古のないところに、役の真情を吐露することなんでできませんが・・・「今日はこれをこれだけやった」などと言う事をお客様に見ていただくわけではなく、お芝居をする裏付けとして、やるべきことはやるものであります。

▼新和座が完璧に出来ているか、と言われれば…まぁ、ぼくがこんな性格ですから、完璧には出来ておりませぬ。おりませぬが…改めて次期公演「デスマーチ」の台本を読み込む度に、「お客様はぼくら自身になんの興味もなく、役と作品をご覧になってご感想を抱かれる」という事を痛切に感じております。

▼幸いな事に劇団新和座の作品が好きになってくださって、毎回御覧頂いているお客様もいらっしゃいます。もちろん、役者・スタッフの知り合いの方もお見えになります。全てのお客様に”ぼくら”ではなく”ぼくらが創る作品”をご覧頂けるように、『デスマーチ』、頑張ってまいります! 

▼皆様、いつも本当にありがとうございます! 次期公演、是非、ご期待ください!!!!!


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