▼今日は「人によって感じ方・受け取り方は違う」ということを書いてみたいと思います。
以前にも書いたかもしれませんが・・・同じ台本を読んでいても、出演者分だけスタッフの分だけお客様の数分、解釈や思いがあります。
同じモノを見たり、聞いたりしたとしても同じ感想・思いを持つとは限りません。
▼お芝居をしていく上で・・・例えば同じ台本を俳優が10人、スタッフが10人読んだら、20人分の解釈が出てきます。20人が20人、100%同じ解釈を持つ、ということはまずないのではないでしょうか。おおまかに同じだとしても、細部が違っていたりします。
同じモノを見たり聞いたりして、全く同じ感想を持ってしまっては・・・恐ろしいことになってしまいます。だって人間は生まれも育ちも環境も違うわけですから感性はまったく違ったモノになってきて当然なわけです。
▼さらには、同じ人間でもあっても、時と場所、その時の状況によって捉え方や感じ方が変わってくると思います。
例えば・・・
この曲ですが・・・
スポーツ大会などの表彰式でよく聞く曲かもしれません。
今、このブログを読んでいる時にこの曲を聞いた感覚・感想と、例えば、スポーツ大会などで試合に勝った時の感想・思いと、負けてしまった時の感情・感覚も・・・感じ方が違うわけです。
▼役に向かい勝った時も同じです。役と役者は違いますから、見たもの、聞いたもの、触れたもの・・・それぞれ、役と役者の感じ方とは違います。また同じ人間・役でも、その時の状況で感じ方は変わってくるのは当然であり、もし、これを一緒くたにしてしまっては・・・役に向かい合っていないと考えます。
▼ぼくもぼくらも・・・お芝居を作る上で、役や作品に向かい合う上で「議論」を重ねます。作品を作る上でバラバラではいけませんから。そうした中で役と役者の感じ方をお互いが認めることでまた、違うイメージが出てくるのではないかとも考えています。
▼1番怖いのは、何を聞いても見ても触れても「こうだ」という固定観念に陥ることだと思っています。もちろん、お芝居上ではセオリーはあります。そのセオリーを無視することは愚の骨頂です。そのセオリーを感じ、表現した上で、さらに観念を広げていく事が必要だと考えています。