平成から令和へ…

今日で平成が終わり、明日から令和に…


劇団新和座は、 平成の時代も皆様のおかげで、無事に活動することができました!
ありがとうございます!!
令和の時代もどうぞご声援賜りますようお願い申し上げます!!

ますますがんばります!!!

令和の時代が皆様にとりまして素敵な時代でありますようにお祈り申し上げます!!


耳のおはなし

唐突ですが…

今回は『耳は大切』という事について書いてみたいと思います。
耳を鍛えると言う事は役者さんにとって必要不可欠と考えています。

これは「すべての音は耳から入ってくる」という事につきますが、素晴らしい役者さんになると、とても耳が良い事に驚きます。

役者さんになろうと思ったら、発声練習や滑舌、感情のコントロール、仕草、型と言ったごくごく基本的な練習はもちろんの事、”耳を鍛える”と言う事をしなければいけないと考えています。
これは単に、耳がよく聞こえる、ということではなく、”違いのわかる耳”を持つ、という事なのです。

言えておしまいではなく。

例えば、声優さんやアナウンサー、俳優さんの修行の中で、ほぼ最初にやるのが、発声や(滑舌を含めた)アクセントのトレーニングですが、これは無論、所謂”共通語”をマスターするためのものなのです。しかし、「言えて」おしまいではありません。何故ならば、お芝居の役はすべてが標準語、共通語をしゃべるとは限らないのです。このアクセントの練習で耳をより鍛える事で、”アクセントの違い”がわかるようになり、耳で聞き、きちんと認識する事で初めておしゃべりできるようになるわけです。

---赤ちゃんもそうですよね。耳が発達することで、だんだんとおしゃべりが上手になる。

また、こう言う事もあると思います。自分の好きな声優さんや俳優さんの物の言い方があったとします。それを練習の中で真似をする時もまず、聞く訳です。そして、次に真似をしてみる。と同時に自分の発した音も耳で聞く訳です。

舞台上では…

更に、舞台などで効果音や、BGM、相手方の台詞、装置や道具などの音を良く聞く事、それによって反応する事で「目」だけでわからない反応をする事ができます。

別の話になってしまいますが、「台本を覚える」というのも、一日一回、声をだして、(ト書きも総て)読むだけでも、進捗が違ってきます。目の情報だけではなく、自分の声を聞き、耳から入った情報というのも加味されますので。

話を元に戻して、俳優さん、声優さんは『違いのわかる耳』を鍛えるべきだと考えています。
音の高低、抑揚、大小、強弱、、、総ての音は耳から入ってくる訳ですから、自分で練習しているときも、お稽古で他の人のお芝居を見て聞いている時も、”前回との違い”や”自分との違い”を漠然とはではなく、明確に把握する事によって、自分のお芝居に磨きがかかると思います。
耳をより鍛える事、違いを耳で意識することで今までの基礎練習の進歩も舞台作品のお稽古の進捗もちがってくる、私はそう考えています。


平成31年4月14日のお稽古☆距離のお話その2

今日もまたまた…

今日のお稽古もまたまた「距離」をテーマに行いました。
以前にも記したかもしれませんが…距離には「物理」的なものと「論理」的なものがあるとぼくは考えています。

その中でも、今回は、主に「論理」的なものに的を絞って行いました。

例えば、年齢が上の人への接し方、年齢が下の人への接し方が違うように、同じセリフでも、向ける相手が変われば喋り方、接し方、表情も変わってきます。
さらには喋る相手の要素は、「年齢」「立場」「性別」「状況」などによっても変化していきます、実際の生活でもそうであるように。
この時、対象をしっかりと意識し、「物理」的な距離を表すことは比較的容易にできるかもしれません。しかしながら、「気持ち」や「関係性」と言った「論理」的な距離感をお客様にご覧いただくことは難しい部分があります。

同じ人物に喋るセリフや仕草だとしても、物語の最初と最後では違いますし、更には、同じセリフの中でも、「自分(の役」の状況によっては違ってきます。
こうした「論理」的な距離感を意識することは、色々な要素を台本から読み込まないと実現できないと考えています。

つまり、サブテキストを創り出し、読み込む、ということです。

サブテキストは…

サブテキストは、台本のいたるところに転がっています。台本に書いてあることもありますし、書いていないこともあります。
また、自分の役のセリフやト書き以外、他の役のセリフやト書きに書いてあることもあります。
セリフとセリフの間、ト書きとト書きの間、セリフとト書きの間にもサブテキストは存在すると考えています。
実際には書いていないですが、役者が想像し、創造するものは、台本の色々なところに散りばめられていると考えています。

更に今回はお知らせです☆

新和座チャンネルが今回の配信より、Youtubeでもお届けすることになりました!ぜひ、皆様、御覧ください☆
(※こちらの動画の収録は3月上旬に行われました)

また、今回の「新和座チャンネル」でも申しておりますが…
新和座の次期公演は、9月、座長 三嶋けいとの書き下ろし作品をお届けいたします!
詳細はこちらのブログ、新和座チャンネル、Twitterなどでお届けいたします!
ぜひぜひ、ご期待下さい!☆


平成31年4月7日のミーティング☆そこには”誰か”居た。

今日はミーティング。

次期公演の稽古に入る前に…ミーティングを行いました。

今は次期公演のための準備の期間です。制作としても、作品としても色々と準備をしている段階です。

その中で今日は稽古場から抜け出し、「ミーティング」を行いました。

今まで座のミーティングというと、どうしても反省会のようなミーティングが多かったのですが、今回は座長の三嶋からも提案があり、新和座全体として「共有すべき」事を中心にミーティングを行いました。

新和座も活動期間が10年を越え、メンバーも変わってきました。そうした中で、「最初からあるもの」「新たにできたもの」「なくなってしまったもの」「変わったもの」などなど色々な事がありました。
改めて全員で考えると色々な事象が思い浮かびました。

仕事観

本日のミーティングは更に個別の考えや思いについても話し合っていきました。その中の一つに「仕事観」というテーマがありました。

新和座での稽古、公演について、私たちは”仕事”として取り組んできました。これからも”仕事”として取り組みます。

この”仕事”とは義務ではなく、我々の目標を達成するための手段であり、嫌々やるものではありません。
つまり、目標を達成するために、真摯に向かい合うことが仕事だとも言えます。
こうした「仕事」を今まで新和座では、それぞれ捉えてはいましたが、各自の「仕事観」を話すことはあまりありませんでした。
しかし、今回は個人の「仕事観」を座員で共有しました。

もちろん、複数の人間がいるわけですから、それぞれ、感じる部分も違いますし、「仕事に対する取り組み方」も上記のように’なんとなく’は分かっていても、言葉にすると表現として少しずつ違います。
しかし、そのどれも間違っていませんし、必要なものです。

当たり前と言われればそれだけですが…
今回、この個別の仕事観をそれぞれ、伝えていく中で、誰の言葉・考えにも「誰か」別の人が居たわけです。

お客様、スタッフ、共演者…仲間。

個別の仕事観を共有しているのに、意識の中に他人がいる。
手前味噌ですが・・・ぼくは非常に・・・これはすごいことだな、と感じています。

つまり、誰かを意識して仕事しているのです。
ともすれば、個人の考えに集中しがちなテーマですが…そこには「他者」への意識があることでぼくらの仕事がより世の中に役に立つのではないか、とさえ感じてしまいます。

しかしながら…無論、こうしたことで満足することなく、常に、目標に向かい、研き、邁進していく。挑戦していく。新しい息吹、鼓動を作り出す。

今日はミーティングの日でしたが…こうした基盤とも言える話を共有することは非常に大事だと考えています。

そして今日共有し、新たに確認したこと、新たに気づいたことを胸に次期公演にむけて舵を切っていきます。どうぞ次期公演にもご期待下さい!!!!


新年度もよろしくお願いいたします。

いつも劇団新和座にご声援いただきましてありがとうございます。
平成31年度になりました。
今年度も座長以下、一所懸命に力を尽くして参ります。

次の御代の元号も発表されました。
「令和」
美しい言葉の響きだと感じております。
安倍総理大臣からは「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味を込められたとの談話が発表されました。

私どもも、文化を担う一端として、常に新しい息吹、新しい鼓動をうちに秘め、皆様に色々な作品をお届けいたします。

新和座にも「和」の字が入っております。これは創立当時から「和」を大切にするという気持ちから名前にも「和」を入れました。
新しい息吹、鼓動、和。
私たちは常に挑戦し、新しい文化を生み出し、育てて参ります。

新年度の劇団新和座にもご期待ください!!
平成の御代はもちろん、令和の御代も全力で取り組んで参ります!
これからも劇団新和座をご贔屓にお願い申し上げます!!


平成31年3月31日のお稽古☆距離というもの。

お芝居での距離について

お芝居をしていて、難しいものの一つに『距離感を表現する』というものがあると思います。

距離感を出す、というのは・・・しかもお芝居をしながら・・・近い距離でも遠い距離でも・・・結構難しいものだと考えています。

例えば
「1km先の遠くの山に向かって叫ぶ」
というト書きがあったとすれば、それを演じなくてはいけません。
しかし、実際、1km先の山、というのは劇場に存在させることは難しいです。

お芝居の根本は役者さんのイメージであろうとぼくは考えております。
如何に1km先にある山を詳細により明確にイメージを作るかということが重要になってきます。

そこで、「距離」という意味のみで考えますと…大事になってくるのが、どれだけ遠くにイメージできるかということなのですが、これがなかなか上手くいかない時があります。

結論から言えば、イメージ上の遠くの山に視線を向けることによって、距離というものを意識できます。

何故ならば、人間が距離を測る場合、その多くの情報は目から入ってきます。
その目、視線をイメージにそって向けることによって、より意識は距離を考えるようになります。

お芝居での’距離感’と拳銃の『照準』

この距離感というもの・・・

ぼくは拳銃の照準がイメージしやすいのではないか、と考えています。

おもちゃの拳銃でも、お祭りの際の射的でも、アーチェリーでも弓矢でも良いのですが・・・
遠くの標的を狙おうと思ったら、よく照準をつけて、当てようとします。狙いを定める、といった感じです。
反対に近くの標的を撃とうと思ったら、距離にはあまり意識がいかないのでないでしょうか。よく狙う、というよりも、近くある的ですと・・・見てはいますが・・・狙わなくても撃てます。

そうなのです。距離を意識する第一歩はその目標を見る、ということなのです。お芝居中に対象となるモノ(他の役だったり、装置だったり、道具だったり…)へ、どのように視線を向けるか、が、距離を出す第一歩なのです。

その上で、どんな台詞をしゃべるのか…はっきりしゃべるのか、ぼそぼそしゃべるのか…(拳銃で言えば引き金を引く行為かと思いますが)…台本のシーンや役によってきます。やくによってきますが…まず距離のイメージを明確にするためには、視線の向き、方向、狙いが大事になってくるとぼくは考えています。

そして色々な側面から…

お芝居での距離を出すものは、役者さんのコントロールが大部分を締めます。
しかし、その距離感は、
 ・お客様が感じる距離感
 ・演出家や脚本家が考える距離感
 ・役者の表現する距離感
 ・音声が表現する距離感
 ・役どうしの距離感
 ・役とモノとの距離感
などなど・・・色々な側面の距離感が同じ物語の中に存在します。
無論、全てを完全に同じすることはできないですが…しかしながら、これらの距離感がピタッとはまる瞬間があるとぼくは考えています。


平成31年3月24日のお稽古☆喋り方を決めるもの

先週に引き続き

今週のお稽古も先週に引き続き「一つのセリフ」を色々変化させる練習を行いました。

前回は主に、「個人」といいますか・・・主観的な変化の要因について突き詰めて練習していきました。

例えば、役の心理、背景、整理状況などによって変化していく場合。つまり、その役の年齢や性別、置かれた状況と言った要素によって変化していくことや、実際の技術的な視点(声の大きさ、強さ、高低、間、スピードなどなど)を重点的に行なっていきました。


今回は…

今回は・・・相手役との関係、状況によっても変化をする、ということを重点的に行いました。これは前回の要素も十分に関わってきます。

例えば、同じ役設定だとしても…相手の目を見ながら喋る場合と下を向いて喋る場合とでは聞こえ方が違ってきます。
また、動きながら喋る場合も同様です。
歩きながら喋る場合、振り向いて喋る場合も聞こえ方、喋り方は変わります。
同じ歩きながらでも、手を振っている場合と視線をどこに向けているかによっても、セリフの調子は変わってきます。

と言いますか・・・変わらないとおかしいのです。
実際の生活の中でも、正面を向き、姿勢を正して喋る場合と、動きながら喋る場合とでは、呼吸の速度もテンポも変わってきます。そうした変化を認識して、自分の変化の範囲(例えば声の高低の範囲)を知っておくことが非常に大事になってくると思います。そして、その変化は自分でだけでなく、相手役も変化します。その変化をしっかりと見て、聞くからこそ、さらに自分の役も変化をすることができると考えています。

こうした喋り方の変化は・・・実生活と同様に・・・その役を舞台上で生かすのに必要だと考えています。