▼今日の記事は久々にお芝居について考えてみました。今回は『お芝居の分解能を上げる』というテーマで書きたいと思います。
▼また武藤がおかしな事を言い始めた、とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが・・・言い換えますと『お芝居の精度を上げる』もしくは『お芝居の解像度を上げる』となると考えています。”解像度”はいくらか馴染みがある言葉ではないでしょうか。次の2枚は、”ネコ”を書いたものです。
▼左よりも右の方が細かく描かれています。『ネコの画です』といわれて見らせた場合、右の画の方がより『ネコ』と分かります。(厳密に言えば解像度とは少し違いますが・・・精度が上がっているという意味あいでご覧いただければと思います)お芝居も同じだと考えています。同じ台本、同じキャラクターを演じるにしても、より細かく、より精度が細かい方が、より多くのお客様に伝わると考えています。
▼このより細かく、精度をあげるということがなかなかどうして難しいのですが・・・この第一歩として『台本を読む分解能を上げる』事が上げられます。台本の読み方は人それぞれですが、より細かく、より精度をあげて読んで行くことが必要であると考えています。
▼”分解能”とは・・・例えば、30cmの定規があるとします。その定規が1mm刻みであれば、その定規の分解能は1mmであり、それより小さいものは測れません。しかし、0.1mm刻みであれば、1mm以下の長さも図ることが出来ます。つまり、お芝居においても、その役の背景や心情、生理状態、視線、口の形、表情などなど、より細かく読み取ることが”お芝居の精度”を上げる第一歩だと考えています。
▼ただ、実は・・・分解能が高いという事と精度が良い事は比例はしません。いくら台本を読む分解能が高くても、それをイメージしたり具現化できなければ意味が無いからです。
▼お芝居には答えはありません。ないからこそ、より細かく、より精度を高く役作りをすることが肝要なのだと考えています。