▼先日の稽古後にご飯を食べていた時に…一人の女優からこんなことを言われました。
「武藤さんは告白する時に車の中でするタイプですよ」
と。
みたんかい!見たことあるのかい!と・・・
▼そりゃあ、この歳のオッサンですから…異性の方とお付き合いしたことはあります。そして、彼の女優が言うように…確かに、今までの告白は車の中で行ってきました。
見られていたのかなぁ…見透かされるのかなぁ…それとも…
▼座員にはもちろんそんなことしたことないのになぁ・・・そもそも稽古場以外では手下的な扱いだものなぁ・・・
▼その女優が言うには・・・「武藤さんはパーソナル・スペースを大事にしてるっぽいので、街中とかではしなさそうです」という理由らしいのです。
この理由を聞いた時に、納得でした、膝をポンと叩きました。
▼確かに、稽古場でも、劇場でも、異様に個人のスペースに拘る時があります。そういうところを見られていたのでしょうか…たしかに彼ら彼女たちと出会って10年。こんなに長い間一緒に活動していれば、色々な特徴や癖などもわかってきて当然なのかもしれません。
▼第一印象もあったでしょうし、活動していく中でわかってきた特徴もあると思います。それは対演出のぼくだけではなく、役者間同士でもそうだと思います。得手不得手、性格、考え方などなど・・・もちろん、お互いに苦手だな、と思う所もあるかもしれません。しかし、そういうした苦手の部分もお互いに抱きしめて活動していく事が大事だと考えています。人間は完璧ではありません。ですから、不完全ではありますが・・・そうしたところも含めて認めわなければ、作品は創っていけないとぼくは考えています。
▼ぼくたちは今、「デスマーチ -ITサポ戦線、離脱不可-」という物語を創っています。ありがたいことに客演の方々、脚本の奏先生、座員、スタッフがこの物語の元に集まり創作作業をしています。なんて幸せなことなのでしょう。ぼくは「車の中で告白するタイプ」であると同時に「とても幸せな演出家」であります。
▼できることもできないことも認める。自分自身に対しても、役に対してもそうであるように・・・他者に対してもお互いにも認めあう。これが基底にあることでより素敵な作品を作ることができる、そうぼくは強く信じています。
※加藤有希子は別仕事のため本日のブログをおやすみします。来週の登場にご期待ください!